運命の日を間近に控えた俺たち姉弟に、ハァハァな展開はしばらくなし
夏休み終盤には集中講義なるものがあり、姉は普通に学校に通ってた
電車も学生が夏休みで目立ったラッシュもなく、姉は一人でも平気とのこと
俺は俺でバイトの時間を増やしたり、部活の合宿などもあったもんで
口内射精を終えた俺たちの向かう先はもはやエチーしかないと思われたが、
微妙な距離感を保ったまま普通の姉弟として数日間を過ごしていた
前述した自営業を営む両親の仕事を手伝い小銭を稼ぐなど、意外と働き者の俺
そんな俺を孝行息子だと両親ではなくなぜか姉が褒めてくれる
いや、違うんだ
家にいると、妙に姉を意識してしまい胸が苦しくて
悶々ハァハァとしていたのもあったが、ダルの存在が気になってた
初めて姉に見えた異性の影
いやこれまでだって言い寄ってくる男なんて数え切れないほどいたはず
だろうけど、俺はその頃ただの弟だったわけで
・・・いや今もただの弟だけど、変態度はかなりレベルUP
姉にちょくちょくメールを送ってきてるであろうダルがウザくてウザくてさ
本来ならば一緒に喜んで祝福してあげても良いであろう立場なのに、
スゴく嫌な弟だと思ったし、人間としてどうなのよって思っていた
だから出来るだけ家で過ごす時間を減らしていたんだ
そんな感じで、姉との距離をちょっと置いてた
その日も俺はバイトを終え、直帰せずに両親の職場へ
小難しいことはわからないんで、肉体労働ってことで倉庫にある大量の
ダンボールを仕分けたりと汗を流した
あたりが夕闇に染まる頃を見計らって家に帰り着く
俺の部屋に明かりが灯ってる
俺が不在のときでも俺の部屋で勉強してるのか?と思いつつ部屋へ
「おかえり」
姉が当たり前のように俺のエロ本を読んでいて萎えた
「ただいま」
と冷静に返したものの、隠し場所を変えたはずのエロ本がすでに発見され
ていてムカついた
まぁそんなの日常茶飯事なんで軽くスルー
とりあえずシャワーでも浴びてこようかと思っていると
「ダル君からデートにしつこく誘われているんですが?」
と、話題をふってくる姉
それこそ軽くスルーすればいいものを、一瞬動きが止まる俺
「あ、そ、そうぁんだ、い、いいんjyないかな」
と噛み噛みで挙動不審すぎ、やっとの思いで次の言葉を口にする
「べ、別にそんなのワザワザ・・・俺に言わなくても・・・いいかr」
姉に背を向け、出来る限り「興味無いぜ」的な雰囲気を装う
「なんか予想通り過ぎる反応なんだけど」
背後で姉が失笑しているのは想像がついていた
普段はトボケてはいるが、基本鋭いからね、肝心なとこは見逃さない
俺の最近の気持ちの揺らぎなどとっくにお見通しってこった
「最近新しいエッチな本は買ってないようですねw」
お?話題をいったんそらしてきやがったか
俺もさっきの噛み噛みのカッコワルイ俺を消去しようと話題に乗る
「ええまぁ、目の前にリアルエロ本がいるもんでw」
姉はちょっと胸元を気にしたのか、体育座りに姿勢を変えた
そんな仕草もいつもの姉とは違って見えた
なにか重要なことを今から言われる覚悟は出来ていた
「ダル君のこと・・・嫌い?」
ほほう、話題をそらしつつ、一気に攻めて来ましたな
話題は核心へと迫りつつある
俺はこのとき姉が「ダルと付き合うよ」って言い出すと思ってて、
仕事中にかいた汗とは違う種類の汗が全身から噴き出してた
まぁ弟と一時ヘンテコな関係になってしまったが、ダルの出現で
正気に戻ったってことなんだろう
わだかまりは残すまいと、精一杯俺を気遣ってくれているはず
たぶん誰もが選びたくなるような男なんだ、纏うオーラが違ってた
まして、この姉様が選ぶというのなら、間違いない男なのだろうと確信
「嫌いだって思うほど彼のことを知らない、けど今のとこ好きでもない」
俺も姉を元のレールへと戻そうと精一杯の言葉を口にする
今は好きじゃないけど、姉が選んだ男なら俺もいつか好きになれる
ように努力するよ、って自分の気持ちを整理してた
事実上の決別宣言だった
「あら奇遇、お姉ちゃんも好きじゃない」
「え?」
「ただお姉ちゃんの場合は、嫌いだって思うほど彼のことを知りたくもない、なんだけどね」
さっき俺が言ったセリフを引用して、姉はサラリと言ってのけた
オマエ、オレガ、ドンダケ、ココスウジツカン、ナヤンダトオモッテイルノカ!!!
「ヤキモチやいてた?ねぇ?やいてた?w」
「・・・」
「やいてたって言えw」
「・・・」
姉は満足そうな顔を浮かべてて、俺は不満と不安で一杯だった
「ってゆうか!!!!!」
ありったけの質問をぶつけてみる
「お、俺が、もしヤキモチ妬いてたとして!も、も、もし妬いてたとしてだ!」
「うんうん」
姉は興味津々といった感じで俺の次の言葉を待っている、ムカー!!!
「それって弟としてどうなの?姉に彼氏できましたハイおめでとうって思えずにイライラしちゃったりしてる弟ってどうなのよ?あ?」
「彼氏できてませんけど?」
「・・・んぐぅ、も、もし仮に出来たとしてだ、これから先出来たとしたら!?」
「出来たとしたら?」
「・・・」
「ヤキモチやくって言え」
「だかr、ヤキモチやく弟ってどうなのvんsd;l!?」
「やくって言え」
「やく」
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